eSIMのデメリット
eSIM向け通信プランは、利用する端末を頻繁に変える人にとっても注意が必要です。
物理的なSIMカードはセットする端末を変えて、APNを設定すれば切り替えが可能でしたが、eSIMでは端末の切り替えをするにあたりeSIMの再発行を行うので容易に行いづらくなります。
対応している格安SIMが少ない
eSIMは対応している通信事業会社が少ない状況です。
携帯キャリアやサブブランドがeSIMに対応し始めたばかりで、eSIMを書き換えるのに必要なRSPをMVNOには開放していません。
そのため携帯キャリアから通信設備(インフラ)を借りているMVNOの多くはeSIMを提供したくてもできない状況です。
【eSIM対応の格安SIM】
eSIM対応格安SIM | 料金(税込) | データ容量 | 対応SIM |
---|---|---|---|
IIJmio | 165 円~1650円 | 0GB~20GB | ・データSIM |
LINEMO | 990円~2,728円 | 3GB~20GB | ・音声対応SIM |
ahamo | 2,970円 | 20GB | ・音声対応SIM |
UQモバイル | 1,628円~3,828円 | 3GB~25GB | ・音声対応SIM |
楽天モバイル | 0円~3,278円 | 1GB~無制限 | ・音声対応SIM |
ワイモバイル | 2,178円~4,158円 | 3GB~25GB | ・音声対応SIM |
povo2.0 | 0円~12,980円 | 1GB~150GB | ・音声対応SIM |
リンクスメイト | 165円~49,852円 | 100MB~1TB | ・音声対応SIM ・SMS+データSIM ・データSIM |
HISモバイル | 290円~5,990円 | 100MB~50GB | ・音声通話SIM |
mineo | 1,298~2,178円 | 1GB~20GB | ・音声対応SIM ・データSIM |
irumo | 550~3,377円 | 0.5GB~9GB | ・音声対応SIM |
対応している機種が少ない
eSIMの対応機種は少ないです。
iPhoneなら2018年以降に発売したiPhoneシリーズの各機種をeSIMに対応させています。
iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR 以降の機種がeSIM対応機種です。
Android端末は以下ブランドの一部がeSIMに対応しています。
- AQUOS
- Xperia
- Galaxy
- OPPO
- Xiaomi
- Google Pixel
- Rakuten
- HUAWEI
eSIMを書き込むための別の端末が必要
eSIMを書き込むための「アクティベーションコード(QRコード)」を表示するための端末が必要です。
eSIMを登録するときはアクティベーションコード(QRコード)を読み取って行います。しかし読み込むためのQRコードを表示させる機種がもう一台必要です。
もう一台の機種でインターネットに接続可能でなければなりません。
インターネット回線が別途必要
eSIMを利用する場合には、開通にインターネット接続する必要があるため、SIMカードなしで通信するためのWi-Fi環境が必要となります。
Wi-Fi(無線LAN)など有効なインターネット接続方法を用意します。ポケットWiFiや光回線など、スマートフォンをWiFiにつなげられれば手続きできます。
Wi-Fi環境が整っていない場合は、Wi-Fiスポットを活用して設定しなければなりません。
SIMカードの抜き差しができない
eSIMは、スマートフォンなどの端末本体にあらかじめ埋め込まれたSIMのことです。
従来のSIMと同様、ごく小さなチップの形をしていますが、端末から抜き差しすることはありません。
カード型のSIMの場合、SIMカードの抜き差しで簡単に機種変更ができました。
しかし、eSIMでは物理的なSIMカードがないので、機種変更の際のプロファイルの書き換えには、有料で手続きが必要になります。
機種変更の手続きに手間がかかる
eSIMの機種変更の手続きに手間がかかります。
カードタイプのSIMは、SIMカードを入れ替えて終わる場合もあります。
しかしeSIMの場合は、オンラインでの手続きが発生します。eSIMの機種変更では、SIMを新たに発行し直し、購入した端末で手続きを行う必要があります。
【eSIM端末の機種変更手順】
- eSIM対応機種を購入する
- eSIM再発行を申請する
- eSIMプロファイルダウンロードする
- 開通手続きを行う
- ネットワーク接続を行う
オンライン専用プランは店舗で契約できない
オンライン専用プランの場合、店舗で契約できませんので、オンライン申し込み後に自分でeSIMの設定をする必要があります。
オンラインによるeSIMの契約にはITリテラシーが求められます。
スマホやPCの操作が良く分からない人にとっては、eSIMの契約から設定は敷居が高く感じられるでしょう。
eSIMの初期設定は事前準備として「SIMロック解除」「Wi-Fi環境を整える」などがあります。
Android端末のeSIMを設定するのに以下の手順を踏むので難しいです。
- eSIM設定画面の専用URLをメールで受信する
- ワンタイムパスワードを受け取りご本人さま認証をする
- eSIMプロファイルをダウンロードする
- 利用開始手続きをする
- 端末を再起動する
- 通信をするための設定をする
SIMロック解除が必要
2021年10月1日以降に発売される、通信キャリアの販売する端末にかけられているSIMロックは廃止となりました。
それ以前に発売したキャリア端末はSIMロックがかかっており、他社乗り換え時でeSIMを使う場合はSIMロック解除が必要です。
ただし、同じ回線系列に乗り換えの場合はSIMロック解除不要です。
ドコモからahamoやOCNモバイルONE、auからpovoやUQモバイル、ソフトバンクからLINEMOやYモバイルなどは同じ系列です。
一部のeSIM専用端末は物理SIMが使えない
楽天モバイルオリジナル端末の「Rakuten Hando」などはeSIM専用となっているので物理的なSIMカードを挿すことはできません。
Rakuten Handには、SIMカードトレイ・SDカードトレイはありません。カードトレイがないことにより防塵・防滴の性能を上げています。
音声通話SIMに対応していない
eSIMに対応している殆どの格安SIMでは音声通話SIMに対応していますが、IIJmioは音声通話SIMに対応していません。
IIJmioのeSIM契約はデータ通信プランのみとなります。
その場合、インターネット接続やテザリングは可能ですが、電話回線での音声通話やSMSの送受信はできません。ただしTwitterやZoomといったインターネット接続を利用した音声・動画での会話は可能です。
1つのeSIMを複数端末で使えない
1つのeSIMは1つの端末でしか利用できません。SIMカードのように、色んな端末に差し替えて使うことができません。
一度QRコードからスマホにインストールしたeSIMを、他のスマホで使いたい場合は、eSIMの再発行や再購入が必要です。
eSIMの再発行と設定には手間がかかります。また、再発行料金がかかる通信事業者もあります。
eSIMのプロファイルを誤って削除したら有料で再発行
eSIMのプロファイルを誤って削除しても、契約は解約になりませんが、ネットや電話が使えなくなるので、プロファイルを再発行し、eSIM開通手続きを再度実施する必要があります。
なお、プロファイル再発行時にはeSIM再発行手数料が発生します。
eSIMメリット
eSIMのメリットは、好きな通信会社を用途や気分に合わせて自由にカスタマイズできることです。
eSIM対応のスマホは、SIMカードは1枚しか挿入できなくても、デジタルデータで複数のSIM情報を、好きなだけ追加できます。
用途に応じて「自由に」通信会社の使い分けができます。
オンライン上で手続きが完了する
eSIMはオンライン上で手続きが完結するため、契約がスムーズに行えます。
オンライン手続きで本人認証が完結する「eKYC」という仕組みも登場ししています。店舗に行かずとも、オンラインサイトから手順を追って操作すれば、自宅で契約を済ませられます。
eKYCとはオンラインでの本人確認のことです。
スマホの簡単な操作で本人確認書類とご本人の顔写真を登録。これら2つをオンラインで照合することで本人確認が完了します。
Webのお申し込み画面(アプリ/Web)、どちらでもスマホからeKYCがご利用できます。
従来の物理SIMカードの場合、申し込んだ後にSIMカードが自宅に届くのを待つ必要があり最低でも3日はかかります。到着した後にSIMカードを差し替えるなど余計な手間も必要です。
eSIMならQRコードやURLを通じて、手続き用サイトにアクセスするだけで手続きが完了するので時間も手間もかかりません。
SIMカードの差し替えが不要
物理SIMは差し替える時に、SIMカードに触れますので、汚れたり、濡れたり、傷ついたりするリスクがあります。
SIMカード抜き差しの際に、指から伝わる静電気がSIMカードに影響を与えてしまうこともあります。
SIMカードが故障すると反応しなくなるので新しいSIMカードの発行に手数料がかかります。
eSIMは、スマートフォンに内蔵された本体一体型のSIMです。eSIMなら、SIMカードが届くのを待ったり、紛失や破損の心配もありません。
1台のスマホで2つのネットワークが利用できる
デュアルSIM対応のスマホ1台に物理型のSIMカードとeSIMを両方設定することで、電話番号やモバイル通信を使い分けることができます。
デュアルSIMとは、スマホ本体とSIMが一体化したeSIMとSIMカードの組み合わせで利用ができます。
「eSIMはIIJmio」「物理SIMはUQモバイル」という使い分けができます。スマホ内の設定からネットワークの切り替えを簡単にできます。
通話プランのSIMカードを2枚使用することで、1台のスマホでプライベート用と仕事用で携帯電話番号を分けることができます。
電話番号が2つあれば、携帯電話会社の電話番号でしか登録ができないSNSアプリのアカウントを2つ取得して使い分けることもできます。
海外旅行時もスマートに利用できる
海外でスマホを使うには、現地に対応したSIMカードを購入またはレンタルし、いつも使っているSIMカードと入れ替える必要があります。
海外滞在時は日本で利用するSIMカードを別途保管する必要ありますが、保管中に紛失してしまうとリスクがあります。
eSIMならオンラインで手続きするだけで利用できるようになりますので、SIMカードを入れ替える必要がなく紛失の心配もありません。
海外行く前のSIM準備が不要になる
海外旅行で現地のプリペイドSIMを買う機会がある方場合、物理的なSIMですと、日本で買っておく必要があり配送までの時間がかかります。
海外現地で買う場合も時間や手間がかかります。
eSIMの場合は購入から使用開始まですべてWEB上で完結します。忙しい出発準備のなかでも短時間で契約ができ、時間を節約できます。
すぐに開通できる
eSIMは申し込みをWEB上で行った後、アクティベーションを行えばそれだけで使用可能になる。eSIMはオンラインですぐ契約し開通できます。
物理SIMの場合は申し込みからSIMカードの到着まで、最短で3日かかります。eSIMなら契約してから1~3時間で新しい回線を利用することができます。
即日開通させるために店舗に行く必要がありません。eSIM対応機種を用意する必要はあります。
スマホが薄型軽量化する
物理SIMカードを挿入するスマホ、専用のSIMカードスロットが必要となります。薄型軽量化が進むスマートフォンにとっては、余計なスペースを多く確保しなければなりません。
eSIMならスロットを用意する必要がなく、スペースと重量を抑えることができます。
SIMカード返却や処分がなくなる
物理SIMの場合、解約後に携帯事業者に返却もしくは処分が必要です。
eSIMでは、解約やMNPを行ってもSIMカードは残りません。乗り換え先でeSIMは再利用ができます。
スマホに内蔵されたeSIMは何度でも利用ができます。
ユーザー自ら携帯電話情報を書き換えられる
電子機器に携帯通信デバイスを埋め込む場合、構造によってはスマホのようにSIMカードを入れ替えるのは困難です。
そのため、eSIMは遠隔操作で契約情報を書き換えられるようになっています。国内外問わずキャリアを乗り換える際のSIM差し替えの手間が不要になります。
eSIMのデメリット対応プランが限られる
eSIMに対応しているけど、eSIM対応プランは限られているという格安SIMがあります。
IIJmio
IIJmioで提供されているeSIMプランは「ギガプラン」「データプラン ゼロ(eSIM)」など2つのプランです。
eSIM対応の「ギガプラン」「データプラン ゼロ(eSIM)」はデータSIMのみとなっており、音声通話SIMはありません。
【ギガプラン料金表】
※「音声」「SMS」「データタイプDのみ」はeSIM契約不可
プラン | 2ギガプラン | 4ギガプラン | 8ギガプラン | 15ギガプラン | 20ギガプラン |
---|---|---|---|---|---|
データ容量 | 2GB | 4GB | 8GB | 15GB | 20GB |
音声 | 税込858円 (税抜780円) | 税込1,078円 (税抜980円) | 税込1,518円 (税抜1,380円) | 税込1,848円 (税抜1,680円) | 税込2,068円 (税抜1,880円) |
SMS | 税込825円 (税抜750円) | 税込1,045円 (税抜950円) | 税込1,485円 (税抜1,350円) | 税込1,815円 (税抜1,650円) | 税込2,035円 (税抜1,850円) |
データ タイプDのみ | 税込748円 (税抜680円) | 税込968円 (税抜880円) | 税込1,408円 (税抜1,280円) | 税込1,738円 (税抜1,580円) | 税込1,958円 (税抜1,780円) |
eSIM | 税込440円 (税抜400円) | 税込660円 (税抜600円) | 税込1,100円 (税抜1,000円) | 税込1,430円 (税抜1,300円) | 税込1,650円 (税抜1,500円) |
【データプラン ゼロ(eSIM)】
データ容量 | 基本料金+データ容量料金 |
---|---|
基本料金 (データ利用ゼロのとき) | 165円(税込) |
1GB | 495円(税込) |
2GB | 990円(税込) |
3GB | 1,485円(税込) |
4GB | 1,980円(税込) |
5GB | 2,475円(税込) |
6GB | 2,970円(税込) |
7GB | 3,465円(税込) |
8GB | 3,960円(税込) |
9GB | 4,455円(税込) |
10GB | 4,950円(税込) |
「データプラン ゼロ(eSIM)」の月額料金は165円/月ですが、これにはデータ通信量は含まれていないので、データ通信を使うには追加データ量をチャージする必要があります。
最初の1GBは330円で、月額料金165円と合わせて1GB利用で495円/月となり、以降2GBから最大10GBまで1GBあたり495円でデータチャージできます。
つまりデータ通信1GBあたり月額495円(税込)です。
IIJmioにはギガプランがあります。スマートフォンで利用する音声SIMの場合で、月2GBのプランは850円、4GBなら990円、8GBは1500円、15GBは1800円、20GBなら2000円です。
プラン | 2ギガプラン | 4ギガプラン | 8ギガプラン | 15ギガプラン | 20ギガプラン |
---|---|---|---|---|---|
データ容量 | 2GB | 4GB | 8GB | 15GB | 20GB |
音声 | 税込858円 (税抜780円) | 税込1,078円 (税抜980円) | 税込1,518円 (税抜1,380円) | 税込1,848円 (税抜1,680円) | 税込2,068円 (税抜1,880円) |
SMS | 税込825円 (税抜750円) | 税込1,045円 (税抜950円) | 税込1,485円 (税抜1,350円) | 税込1,815円 (税抜1,650円) | 税込2,035円 (税抜1,850円) |
データ タイプDのみ | 税込748円 (税抜680円) | 税込968円 (税抜880円) | 税込1,408円 (税抜1,280円) | 税込1,738円 (税抜1,580円) | 税込1,958円 (税抜1,780円) |
eSIM | 税込440円 (税抜400円) | 税込660円 (税抜600円) | 税込1,100円 (税抜1,000円) | 税込1,430円 (税抜1,300円) | 税込1,650円 (税抜1,500円) |
ギガプランはeSIMに対応していません。
UQモバイル
UQモバイルでeSIM対応しているのは、最新プラン・くりこしプラン+5Gのみです。
くりこしプランS +5G | くりこしプランM +5G | くりこしプランL +5G |
|
---|---|---|---|
基本月額料金 | 1,628円(税込)/月 | 2,728円(税込)/月 | 3,828円(税込)/月 |
基本データ容量 | 3GB/月 | 15GB/月 | 25GB/月 |
通信方式 | 4G/5G対応 ※5Gは一部エリアでの提供です。 |
||
基本データ容量超過時 or 節約モード時 | 最大300Kbps | 最大1Mbps | 最大1Mbps |
基本国内通話料 | 税込22円/30秒(SMS通信料税込3.3円/通(70文字以内)) |
従来プランを契約中の方は、新プランに移行しないとeSIMが利用できないためご注意ください。
5G対応端末を持っていなくても、くりこしプラン+5Gにプラン変更して問題ありません。くりこしプラン+5Gでは、4G通信も利用できます。
※当社はeSIMの情報提供を目的としており、eSIMへの申し込みを斡旋をするものではありません。
※当社に掲載されているeSIMに関するご質問、お問い合わせにはお答えすることができません。各eSIMの運営会社へ直接お問い合わせ頂きますようお願いいたします。
※当社に掲載している情報は、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、 誤情報が入り込んだり、情報が古くなったりすることもあり、必ずしもその内容の正確性および完全性を保証するものではございません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害について、一切責任を負うものではございませんのであらかじめご了承ください。
※eSIMへの申し込みは、必ずご自身で各公式ホームページで内容をご確認のうえ、判断頂けますようお願いします。
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